2014年2月4日、10名強の人々が続々とセルリアンタワーの一室に集まってきた。彼らは急成長中のベンチャーの経営を担う異才たちである。
それぞれが魅力的な個性を備え、狙うマーケットも異なれど、彼らにはとある共通点がある。
–強烈な成長=グロースを渇望してやまないということだ。
GMO VenturePartnersでは、関与先ベンチャーに可能な限り最速で成長加速して頂くための一環として、各テーマごとに成功体験を持った投資先社長や専門家を講師として迎え、投資先限定のクローズドな勉強会を開催する。
今回の勉強会では、特に質疑の中から即実践可能な様々な施策が論じられた。その部分は各社のサービスの現状や今後についてあまりに多く語りすぎてしまい残念ながら公開できないのだが、ここでは前半の公開可能な部分を録音テープから会場の雰囲気そのままに書き起こし、お伝えすることを試みる。
須藤 憲司:KAIZEN platform inc. co-founder & CEO
http://kaizenplatform.in/
前職 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ 執行役員 アドオプティマイゼーション推進室長
ドコイク?、R25、リクナビNEXT、などを担当
オンライン集客事業を設立、600社へGrowth提供
4年連続で200%成長を実現
現在は、グロースハックのためのツール「planBCD」を提供する会社をシリコンバレーで起業
僕は前職ではリクルートのなかのオンライン広告を最適化する部署にいまして、アドテクの領域のヘッドをやってたりしました。 新規事業やR25に関わって、(当時そんな言葉はなかったんですが)「グロースハック」のチームにいました。 リクルートって、数百億円とか尋常じゃない金額を広告費に使うので、1%改善すると数億儲かったりするんです。そんなん死ぬほどやった方がいいんじゃないかって話で。 それで非常に非効率なことがあったので、それを改善するためにKAIZEN Platform Incを立ちあげました。
今回、僕は広義の部分をお話します。各論のところは梶谷さんのパートにお任せするとして。なぜ今グロースハックなのか⇒グロースハックの要点⇒ツールの紹介という順でお話します。
厳しく変化の激しい競争環境と、成長すればするほどターゲット層が変わる現実
何故今グロースハックなのかという話ですが、 まず、マーケットが成熟してきているというのがあります。 昔は「アプリつくっときゃ勝てる」みたいな牧歌的な時代がありまして、リクルート社でも「ホットペッパーのアプリを作るだけで、ものすごく流行る」みたいなことがありました。 でも今はプレイヤーが増えてきて、「満員電車にどうやって乗り込むか」みたいな時代になってきたわけです。
二つ目に、競争環境の変化のスピードに対応することが必要となってきた背景があります。 スマホのトラフィックが劇的に増えたり、そもそも、SEOそのものがおかしくなってきたり。
さらに、ユーザーっていうのは、獲得すればするほど、次に獲得すべき層が変わっていくということがあります。これ、アーリー段階の会社とかは全然きづかないんですけど。 お手伝いさせてもらったある企業の例でいうと、アーリーアダプターを取るのは割と簡単だったんですが、層が変わるとCM打たなきゃいけなくなったり、それに競合が頑張り始めるといきなり難しくなったり。 そのフェーズに合ったマーケットに合わせていかないといけなくて、その都度成長の方法は変わっていくんですね。
「時間×お金⇒成長」の転換効率を上げることがグロースハック
さて「グロースハックって何?」って話ですが、最初、FacebookだとかTwitterだとかQuoraだとかが凄い勢いで立ち上がって、注目を浴びたところから始まったと思うんですね。 その前に、Dellの例とかが公表されて、ECだったんですけど、「商品のスペックを普通に書くよりも、箇条書きにした方が25%CVRが高かった」とか。そんなんで25%上がるんだったら死ぬほどやれよって感じになりますよね。
その他事例として、糖尿病キャンペーンで、ボタンを赤と緑にするのがどっちがCVRいいか、とか。これ、どっちだと思います?(会場内、赤と緑が半々程)
これは赤だったんですが、こんなんやってみないとわかんないじゃないですか。 他には有名なオバマの例で、家族のやつが一番CVR良いということになったのですが。
こういうのは試してみなきゃわかんないですよね。早いサイクルで試していかないと。
ここで定義なんですけど 「時間×お金⇒成長に転換」するなかで、(ここでの時間は経営者から従業員の全員の時間です) ここの転換効率を上げることがグロースハックなんじゃないかとおもってます。
自転車のギアを上げる感覚なんですけど、一回漕ぐのも、遠くに行けたほうが当然いいわけで、自転車のギアを上げることをグロースハックというのでは、と。 だから、プロダクト的なグロースハックもあれば、マーケ的なグロースハックもあれば、実は人材採用とか組織体制とかみたいなことも本来でいうと含まれるかなあと。
貴重な従業員の時間を最重要施策にのみ充て、それ以外の施策は捨てる
まああれこれ言ってもフォーカスしてくしかないんで、この原理法則の中で間違えがちというか、経営をやってく上での盲点が、「お金と時間では圧倒的に時間の方が大事」ということです。お金使うのにも時間がかかるんですね。 たとえば、リクルートの例で言うと、一部署だけで引くくらい広告費使うんですね。 リスティングだけでマー君の年俸の1〜2年分くらいつかってるんじゃないかと。 それを使うには凄まじい数の従業員を使う必要があって。リスティングマネジメントとかTVCMつくるだとか。 こういう例をみても、お金と時間だと時間の方がめっちゃ貴重じゃん、と。 経営陣からしてもマーケティングチームからしても、その貴重な従業員の時間をどこに充てていくかということがグロースハックで、売上インパクトや成長インパクトに最も関わることに時間を使おうよっていうのが結構ポイントです。 あれこれいろんなことに打ち手を打ちたがるのが人の性なんですが、僕のオススメは捨てることです。捨てないと成長しないという話がこの後も出てきます。
これは、pLuckyの林さんに教えてもらったAAARRの図なんですが、このなかで何をやんなきゃいけないかということを明確にすることが大事です。
集中的に何をするのかいう話で、広告をやっている会社さんはご存知かと思うんですが、他のすべてのものとちがい、広告は沢山買おうとすればするほど高くなるという性質があります。 買う量を増やせば増やすほど、必ず効率が悪化します。
つまり、成長のスピードを上げたければ、許容できる1ユーザーあたりの獲得単価(CPA)を上げるか、CVRを上げるかしかないわけです。 そうしないしないと成長率をあげることができないんですね。 よくある例が、この広告費でユーザーをこのくらい獲得できたので、広告費を2倍にすれば獲得ユーザーも2倍になるんじゃないかって思って実施するんですが、蓋を開けてみるとぜんぜんユーザー2倍になりませんという話です。それでお客さんが激ギレすると(笑)
現場が使えるKPIを設定することで85%が決まる
ここで、グロースハックのためのポイントを3つ紹介します。
まず、KPI(Key Performance Indicator; 重要業績評価指標)を正しく設定すること。これがお金時間含めもっとも重要な作業となります。 これはスペースシャトルのダッシュボードですが、機体を動かすにはこれを全て正確に理解しなきゃいけないらしいです。 これとは違って、僕らWebサービスは大気圏を突破するエネルギーも、国家予算級の予算も使いませんし、適切な指標だけ把握すればよいんですね。
ここのコツは、先行指標を置くことですね。結果指標はKGI(Key Goal Indicator; 重要目標達成指標)といいます。結果が出てから次の動きに行くのでは、はっきり言って遅すぎる。それにリンケージする指標を設定して、結果の手前でわかって、その後すぐにアクションできる指標にしようと。
次にどう行動するの?という数字だけみて、色々見ないことが大事ですね。 というのも、色々見ちゃうと「KPIこっちは上がったけどこっちは下がった」みたいなことが起こって、都合のいい解釈しちゃったり、評価しづらい状況になって。
より、現場のためのKPIを設定すべきで。会社が追うのはKGIに近いと思うんですね。 もっとライトに追いやすいモノをKPIにするのがよいです。 たとえば、多くのWebサービスはDAUを上げるというのがKGIで、そのためのKPIとしてFacebookは登録後10日以内に7人の友達を作らせた数というのを現場のKPIにしていました。これは、登録後10日以内に7人の友達を作らせると、その後のDAUが劇的に上がるということに気付いて作った指標です。6人でも8人でもなくここは7人だと。そのためにどうやるか、というのを徹底して登録導線からすべて見ていました。 Twitterは5人以上フォローさせることでアクティブ率が跳ね上がるらしく、5人というのがマジックナンバーらしく、この部分をKPIにしていると。 Dropboxでいうとファイルを必ず一つ置いてもらうということがKPIで。 KAIZEN社はKGIはアクティブテストの数とかなんですが、KPIは最初のA/Bテストをやってもらう、てところにおいています。
梶谷さんのパートで議題に上がった通りCEOがグロースハックチームに入るのが一番なんですが、入るのが難しいことが多いんですね。入れないときにどうするかって話で、 現場が使えるKPIに設定しなおしているかということが非常に大事だという話です。 KPIを正しく設定することで85%が決まるというくらいここが大事なポイントなんです。
100回中80回の失敗を楽しめる組織
次の要点として、あるべきチームを作るというのがポイントですが、 その前に、グロースハックではある程度のコンバージョンの規模が必要になります。 テストの結果としては、1パターン辺りに100くらいのコンバージョン欲しいと、 不動産とか単価が高くてそれだとできませんという業界では手前にコンバージョンポイントをおいて、試したいパターン×100の規模を広告でも何でも使ってあつめないと検証できません。100は最低限で現実では300欲しいというところです。
その後、チーム作りなのですが、リスクテイクする土壌をつくることが重要です。 毎回「このKAIZENやっていいですか」とか聞いていたら大変なんですね。 100回中80回失敗するのは普通なので80回の失敗を許容しますというと。 つきつめていうと5回に1回くらい成功するのかというとそうではなく、30回くらい失敗してやっと成功するようなイメージなので、30回連続して失敗してるときにチームのモチベーションが保てるか、というところが重要です。 経営者が何回でもいけといっても、現場が「もうほんと勘弁してください」という感じだったらどんどん成功確率さがりますから。 いかに明るく失敗するか、というかあえて失敗を楽しむような雰囲気を作るのがポイントです。
グロースハックというのはフィードバックをいかにめちゃんこ早く回すかという世界で、 施策みたいな具体例より、こんな風に土台がばちーんとしてるということと、そういう体制をどうつくるかを大事だと。実際、100回やって80回失敗できる組織はめちゃくちゃつよい。 リクルートの時は、自分の部署では6割くらい失敗しろっていう風に言われていて、5割くらいしか失敗していないと「我々はコンサバである」ということになってレベルが低いんだけどみたいな感じになって商品企画とかの時も「失敗少なすぎだよね。コンサバじゃね?レベル低いんだけど」とかいって企画書差し戻し、みたいな(笑) いまのKAIZEN社は順調にいいペースで失敗してるのですごくいいなあ、と(笑)
最後にチームとして実行までのスピードを速くするという話ですが、必ずベンチマークを置いて実行までのスピードをみるというのがポイントです。 というのも、自分ではよくやってるつもりでも、競合は想像以上にもっとよくやっているんですね。 競合よりも1.5倍はやいんだよ、とか、具体的にベンチマークをおくことをオススメします。
※KAIZEN Platform Incの提供するPlanBCDについては下記をご覧ください。 https://planb.cd/
梶谷 健人:株式会社VASILY Growth Hacker見習い
http://vasily.jp/
前職 株式会社GMOペイメントゲートウェイ 企業価値創造戦略 統括本部 WEB広告担当
自社広告の運用を全て行い、歴代最高のCV数、CVRを記録
現在は、「iQON」を提供するVASILYにてグロースハックの実践と研究
簡単に自己紹介すると、僕は株式会社VASILYでiQONというプロダクト(女性向けファッションSNSサービス)のグロースハックに関わっています。 同時にグロースハックの啓蒙活動のようなこともやっていて、グロースハックメディアで一番よく見られているブログも運営しています。
数値やユーザーの声を分析し、ユーザーの数や質をグロースさせる仕組みを、プロダクトの中にUXレベルで組み込む
まず、改めて話しておきたいのが、グロースハックとは何かという部分です。というのも「グロースハック」という言葉がバズワードになりすぎていて、いろんな定義が国内で混在している状態になっていると思うんですね。なので、ここを整理したいと思ってます。
整理するために有名な事例をいくつか挙げると、
- Dropbox:追加の容量をインセンティブにした友人紹介で登録数を60%も増やしました。
- Twitter:登録フォームでの離脱率がもともとすごく高かった。何故かというとID(@~)という部分のユーザー間での重複がかなり多く、独自IDを手に入れるまでに入力を繰り返さなければなりませんでした。そこで名前を入力するだけで独自IDを項目に自動入力する仕組みを組み入れたところ、純増分だけで6万人/日の増加がありました。
- Airbnb:貸し手向けに物件をCraigslist(より大きなプラットフォーム、米大手クラシファイドメディア)に掲載する機能を追加。トラフィックを増やして、初期のユーザー獲得につなげました。
上記3つの例を見た上でグロースハックとはなんだろうと考えると、僕の考えは、これに尽きるかなーと思っています。 「数値やユーザーの声を分析し、ユーザーの数や質をグロースさせる仕組みを、プロダクトの中にUXレベルで組み込むこと」
唯一グロースだけがベンチャーの痛みを癒してくれる
さて、今日この場で皆さんのプロダクトをグロースさせる方法を直接お伝えするのは無理です。 プロダクトをグロースさせるハックを生み出すためには、 プロダクトを徹底的に使い倒し、そこから得られるデータを徹底的に入力し、それらを元に必死に考え抜いて初めてグロースさせる仕組みを生み出せると考えているからです。
そのため、この場では答えを提示するのではなく、答えを出しやすくするために頭の中に整理棚をつくることに重点を置きます。 まず、整理棚を作るためにこの問いを挙げます。
「なぜ、今グロースハックなのか」
ベンチャーにはさまざまな痛みがあり、特に経営者は想像できないくらいの痛みを抱えています。 その中で、唯一成長=グロースだけがその痛みを癒してくれる。 そんなわけでベンチャーは昔からグロースを求めてきたのですが、グロースだけにフォーカスできる環境がやっと今になって整ってきたのかなと。 黒字化していなくてもグロースさえしていればファイナンスを受けられるようになったし、バイアウトという形でEXITもできるようになった。 そうした環境変化で、グロースだけに振り切れる人材=グロースハッカーが求められるようになったのかと。
AARRRモデルで各段階の施策にフォーカス
次に、グロースハックが必要になっている理由は分かったが、具体的には「どうすればいいのか」
その大きな助けになるのが有名な"AARRRモデル"です。 これはグロース戦略を考える上でのフレームワークになんですが、
- Acquisition:ユーザー獲得
- Activation:ユーザー活性化
- Retention:継続
- Referral:紹介
- Revenue:収益
という5つのフェーズのうちどこにいるのかを明確にするフレームワークです。 これを使うことで、フェーズごとに施策をフォーカスできるというメリットがあります。 iQONの例でいうと、最初の3つ(獲得、活性化、継続)にフォーカスした後、今Referralの紹介部分に手を付けはじめた段階です。
iQONが何をやったかというと、まずAcquisition=ユーザー獲得の部分の施策として、登録フローをなくしました。登録画面というのは、ユーザーが一番離脱するところです。 最初の母数からじょうごのように段階的にユーザーが絞られてくと思うのですが、そのじょうご自体を取っ払ったということです。 「はじめる」ボタンを押したらすぐにアプリを開始させて、IDは裏で自動発行することにしました。 ユーザーのプロフィール情報は最初に取らず、アプリを使ってもらった後の入力というフローにしました。 アプリなのでプッシュ通知でき、メールアドレスも最初に取る必要がないのですね。ログアウトするときに初めてメールアドレス入力を求めるようにしています。
つぎのActivation=ユーザー活性化の部分ですが、ここはユーザーにとってのAHA体験がポイントになってくるかなと思っています。 AHA体験というのはユーザーがこのサービスいいねと思った瞬間のことなんですが、それがないとどんなに頑張ってもアクティベーションしてくれないんですね。 iQONのAHA体験の中にLIKEしていた商品がSALEになった場合、通知を飛ばすという機能があるんですが、実際にLIKEしてからSALEになるまでには時間が空いてしまって、ユーザーにその体験を味あわせにくいという問題がありました。 ですので、LIKEした瞬間にダミーのSALE通知を飛ばして、こういう風に通知が来ますよ、ということを疑似体験させる施策を組み込みました。
つぎにRetention=継続率の強化の部分に関してですが、年齢別に最適化するという施策を行いました。 iQONのユーザーは10代から20代の女性はすごく継続率が高い一方、30代から40代の女性の定着率が低かったんですね。 それは、ユーザーの大多数が10~20代で、コンテンツの大多数もその年代につくられたものでした。30~40代の女性はそのようなコンテンツでは満足できないということで、だったらユーザーの年代別にコンテンツを最適化しようということで改善を行いました。
週継続率10%弱増加と大成功を収めました。 Andoroidでまずテストし、iOSでも導入しました。
このように、Androidは週に一回、iOSは10日に一回のペースで施策を回しています。 社長の決断でいきなりiOSに導入するようなことはあまりなく、Androidでテストできるものであれば99%は先にテストします。 (関連記事:Androidファーストでグロースハックすべき理由と、ベンチマークすべき海外アプリ8選)
グロースは複利で考える
さて、ここで一度話を整理しようかと思います。 まずグロースハックって何?という話からはいり、次にグロースハックの必要性について議論しました。そして型としてのAARRRモデルに移り、iQONの具体例に沿ってご説明してきました。仮にグロースハックを武道に例えると、定義⇒必要性⇒型(武)という風に流れてきたので、最後は心構え(道)の部分ではないかと。
グロースハックの心構えとして、3つのマインドセットがあると思っています。 一つ目は、グロースは複利で考えるということ。
仮に10万人のユーザーを抱えるサービスが2つあったとして、ウィークリーで「2%グロースさせる施策」と「3%グロースさせる施策」をそれぞれに行った場合、ウィークリーでいうと1000人という違いしか生まれないのですが、これを一年続けた場合、28万人と46.5万人というとてつもなく大きな違いになってきます。 とにかく1%の改善を重ねることが重要、ということです。
二つ目のマインドセットはグロースハック体質を組織のDNAに組み込むということです。 グロースハックは100回施策を打ち80回は失敗してなんぼという世界です。とにかく沢山打席に立つということが大事なのです。
では、打席数最大化のために何が必要かというと簡単で、最終意思決定者を巻き込む。ということで、これにより意思決定のスピードが各段に上がります。決断のプロセスが一個しかないので。iQONでも社長自身がグロースチームに深く関わっています。
三つ目のマインドセットは、シンプルであれということです。 先程紹介したDropboxやTwitterやAirbnbの例でも、それぞれの施策は到ってシンプルなものでした。 このような施策を思いつくには、シンプルなフレームワークを何個も使いこなすことが助けとなります。 それがAARRRモデルだったりして、他にもグロース方程式やプロダクトマーケットフィットやバイラル係数とかいったフレームワークがあります。このへんはネットで調べれば出てくると思います。
最後に総括的な話をすると、そもそもグロースハックってなんだろうって話から、それは数値やユーザーの声を分析して ユーザーの数や質を上げる仕組みをプロダクトの中にUXレベルで組み込むことでしたよね、という定義をしました。
いままでの話で最初の定義も何となく納得できるのかなと、思っています。 そのためにはプロダクトを徹底的に使い倒すことが必要だし、データを徹底的に分析して、ユーザーの声に徹底的に耳をかたむけることが必要だということになると思います。
それを考える上で、大きな武器になるのがAARRRモデルで、全体としてグロースハックする上で「複利、打席数最大化、シンプルなフレームワーク」という3つのマインドセットを意識してやってもらえれば、かなり高い確度で、良いグロースハックがどんどん打ちやすくなるのかな、と。
皆さんのグロースハックが成功することを祈っています!
※株式会社VASILYの提供するiQONについては下記をご覧ください。
■iQON ( http://www.iqon.jp/ )とは 〜「カワイイ」が見つかり、「欲しい!」が買える〜
「iQON(アイコン)」 はユーザーが投稿する50万件以上のコーディネートや日々更新される200万件以上のファッションアイテムからトレンドを知ることができるファッションコーディネートアプリです。ユーザーはZOZOTOWNをはじめ提携する60以上のECサイトのファッション商品画像を組み合わせて自由にコーディネートしアプリ上で公開します。ユーザーは1日あたり約2,000件以上投稿されるコーディネートを見て気になる商品を見つけることが出来ます。iQONはApple社が選定する2012年ベストアプリに選ばれ、App Storeでの平均レビュー点数が4.5と非常に高い評価を得ています。
アプリのDLはこちら(iOS/Android 無料アプリ) http://www.iqon.jp/app_dl2